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武蔵野稽古会傳 作法 細論 其之九


礼法 五

神前の拝礼

次に神前の拝礼を行います。
当会や、会長や不肖の在籍した道場では、武神として当流始祖とされる林崎居合明神の神棚を道場正面に戴き、拝礼します。
本来は道場の北、または西側の壁に神棚を戴くべきですが、稽古している武道場のレイアウト上致し方ない場合は道場入口からみて正面に戴きます。

座礼の時と同じように右手で刀を持ち、体の正面に立て、左手に持ち替えます。
この時も下緒は輪を保ち、右足を前に立て、左足を前に揃えて立ち上がります。
直立の姿勢から、左足を小足一歩引いて元の位置に戻ります。
戻る際に体の正面が武神に正対するよう、向きを調整します。

柄頭が右手の肱あたり、鍔が臍の位置、体の中心に来るよう左手を前に回し、右手で鞘を下緒ごと下から持ち、棟筋に人差し指を伸ばして添えた形で握り、左手は鞘を離し、鷲の爪に軽く握り左脇へ戻します。
柄頭が脇の下を通るように右手を右脇へ戻し、刀が右腰、柄頭が後の上を向き、切先が前方に下がり、横から見て刀が45度の状態となります。

刃が下を向いており、棟筋に人差し指が真直ぐ添えられている姿勢のまま、武神に対し45度に腰を折る最敬礼を行います。
この時、他派では腰を折るときに刀も連れ、足に沿った垂直にして礼をする処もありますが、当会では二十一代福井聖山師の礼法を踏襲し、刀は斜めを保ったままとします。

敬礼から直り、また臍前に鍔が来るよう右手を前に回し、左手で鞘の下、今度は刃側から刃側の鍔に親指を掛けて握り、左脇に戻します。
戻した時に左脇で刃が上になっており、下緒も輪を保っている最初の状態に戻ります。

本来は下座から上座に向かい着座して次の刀礼を行いますが、道場のレイアウトや稽古人数によっては道場に正対も有とします。
向きを調整しながら座礼と同様に袴を捌き、左足から床に着き着座します。


无拍
2022年11月5日 初出
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