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稽古の眼目について

例えば徒手格闘では、体格で勝る者に、技量が高くても体格が劣る者が勝つことは容易ではありません。
それでも技術とは体格差を埋める唯一の手段であり、また当然体格の勝る者が技術を身に付ければ尚有利であることは明白です。
まして武器術において、技術の優位性はときに体格差を大きく覆します。
居合道はその技術の鍛錬を以て心を養う武道であり、教授方法として「正、速、強、威」を眼目に稽古します。


正とは、流儀の掟に従いて体の構え、運剣の仕方を始め、その流儀の形を正しく身につける事。
速とは形の上に業の理合いをわきまえて錬磨を重ね、速度を早くする事。
強とは、正と運剣の速の上に斬撃の効果を十分ならしめるため、手の裡の作用による当たりの強みを錬磨する事。
威とは、正速強を身に得て百錬の暁、流儀の体を自得し遅速、緩急、強弱を悟り、残心を得て而して格調高き無限の品位と風格ある境地に到達する事。

(第二十代宗家 河野百錬師 述)


次回は正、速、強、威のそれぞれについて、不肖なりに考えていこうと思います。



无拍 
2018年5月11日 初出
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