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居合道について

居合という武術は、機に臨み変に応じる制敵の術です。
居合道とは、この居合という武術を決められた形(かた)によって、業(わざ)として繰り返し稽古し、心身の修業とするものです。

当会で稽古する無雙直傳英信流には、刀を遣い独りで稽古する居合業、木剣を遣い二人で稽古する組太刀があります。

当流の居合業は大きく分けて、室町時代から江戸時代にかけて形成された古流と、明治以降の歴代宗家により編纂された稽古用の業系があります。

まず古流では正座の姿勢から始まる一対一想定の「正坐之部」、居合膝、武者坐りとも云われる半胡坐から始めるこれも一対一想定の「立膝之部」、多敵想定も含む奥傳に当たる「奥居合之部」があり、明治以降に編纂された業系では、立業の「抜刀法」「番外」などがあります。

初心ではまず「正坐之部」、身体的に正座が難しい人は立った状態で行う「抜刀法 基本之部」から習います。
業はただ形をなぞって、手足を動かすだけの体操ではありません。 想定(その場の状況)に対し、理合(相手を制する最善の対応)に則した業(心身操作)を稽古するものです。
観見(かんけん)を使い分ける目附(めつけ)、呼吸、姿勢、間と正しい身体操作による気剣体の一致、手の裡(てのうち)、心法に至る稽古となります。

当会に伝承されている六十余本にわたる掟の業は、特定の想定に対して、特定の理合を表した形です。
特定の想定に対しての理合ですから、全ての状況において稽古そのままの形で勝てるという意味合いではありません。実際はその場の状況や相手の動きに合わせて変化して当然です。

たとえどのように変化しても、理合に則した最善の動きが出来るよう稽古するために、無数の応用に対して根幹となる所作を規定したものが居合の「形」と考えています。

居合道の「道」とは、理合と実際の業との差異、一切の無駄を削ぎ落として理(ことわり)に近づく為の稽古を依代として修行し、悟達を追い求める道とかんがえています。


无拍
2018年7月9日 初出


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