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無雙直傳英信流視点における刀についての私見 其之一


居合は主に刀を扱う武術です。
当会で稽古する無雙直傳英信流に関していえば、掟業として稽古している現代の業は全て刀を用います。

江戸時代まで遡れば、古傳の組太刀(土佐の伝承では“仕組”と云います)に刀を抜かずして対手を制する業体系もありますが、これも刀を腰に差した状態で稽古し、柄を取らせたり柄を利用したりして業を掛けます。

日本刀は手作業の鍛造による製作なので、長さ、反り、重ね(厚み)、身幅(棟から刃先までの幅)、重さ、さらには重さのバランスがそれぞれ違い、一振りとして同じものはありません。
美術品としての刀剣は姿、鍛え、刃紋、拵え、そして刀工などで好みのものを選べばよいのですが、居合に使う刀は使い勝手という実用面も重視される処です。

とはいえ、抑々居合とは居合わせた状況に対処する術なので、どの刀であっても臨機応変に使いこなせることが当然であり、突き詰めれば刀に限らず身の廻りの全てを利用して対手を制することが本懐です。
長い刀を短く遣い、短い刀を長く遣う。重い刀を軽く振り、軽い刀で重く切るよう心掛け稽古しなければなりません。


无拍 
2019年6月8日 初出
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